【センター協力事業レポート】大岡地区人権・男女共同参画住民集会

【センター協力事業レポート】
大岡地区で開催された
「大岡地区人権・男女共同参画住民集会」に行ってきました。

講師は赤松良子さん。

元文部大臣・現日本ユニセフ協会会長。
「わたしがであった人々 赤松良子の人生論」を語りました。

東大を卒業後すぐに労働省に入省してから、
女性の地位向上に尽力してきた女性ということで、
「できる女」のイメージをもっていましたが、
とてもチャーミングでユーモアのある語り口で会場は終始なごやかな雰囲気。
ときおり見せるパワフルな人生論に魅了されます。

63年前の労働省時代に大岡を訪れ、農山村の女性のくらしの調査をした赤松さん。
当時の大岡の女性は農業や林業、養蚕に従事しながら家事もこなしていましたが、その働きは正当に評価されていなかったとのこと。
「個々の問題を解決するだけでは根本的な解決にはならない。そのためには根拠となる法律を作らなければならなかった。法律を立案できる立場になりたいと思った」という言葉に、大学時代から女性の労働に関する仕事をしたくて労働省に入ったという赤松さんの思いの強さがあらわれています。

その後、労働省婦人少年局長時代には男女雇用機会均等法成立の立役者として活躍しました。
その苦労は並大抵ではなく、助走段階から全力疾走、行政内部との戦い、市民との間に入り、可決まで持ち込んだ手腕がしのばれます。
途中、与謝野晶子の「君死にたまうことなかれ」の詩を引用して、日本が戦争に駆り立てられた時代のことにも触れました。

後半は、信濃毎日新聞社の記者河原千春さんとの対談。
その中で、
「責任のある仕事をした方がおもしろい。自分が動いて社会が変わること、それが人生の喜び」
と語りました。
地縁の組織だけでなく、職場でも、市民活動の現場でも女性ならではの力が生かされる社会をつくっていくのは、ひとりひとりの意識改革が必要なのでしょう。