【ながの地域まるごとキャンパス】報告会開催レポート

ながの地域まるごとキャンパスは、高校生・大学生を対象にして、「あしもとの地域=ながの」をまるごと「キャンパス」ととらえて、市民活動団体や企業などが地域活動のプログラムを提案するプログラムです。

本事業は今年で5年目をむかえ、延べ700人以上が参加しています。

今年度は31団体がプログラムを提案し、150人の学生が参加しました。活動の総まとめとして、1月14日、市生涯学習センターを会場にして報告会を開催しました。午前中はながの地域まるごとキャンパスのプログラムを提案した11団体、午後は活動した学生や興味のある大人など約40人が集まり、活動報告・意見交換をしました。また、この会は「地域まるごとキャンパス向上委員会」の学生たちが中心になり、準備や当日の進行、運営を務めました。

 

 

▶第一部:提案団体交流会

ながの地域まるごとキャンパスでプログラムを提案した団体から、どんな活動を学生としたのかを共有した後、工夫点や課題も含めてグループごとに話し合いました。

 

 最初は「学生との活動に興味はあるが、どうしたらよいのかわからない」と悩んでいた団体が、学生を受け入れた結果、若い力・アイデア・感性が入ることで活動が盛り上がった。自分たちの活動を見つめ直すきっかけになったという話がでました。他に、「新しいコミュニケーションツールに挑戦することができた」「子どもと同じ目線で楽しんで参加してくれてよかった」といった感想が出ました。また、「スケジュール調整に難航した」「連絡がなかなかとれない」といった課題も共有されました。連絡手段について「提案団体側からlineを聞かれることに抵抗はあるか?」という疑問に対して、運営側にいた学生たちからは「あまり気にしない。むしろメールや電話の方が面倒」といった話も出て、その意識の差におどろかされる場面も。

 

最後に、学生からは「任される」ことで自信を得て、地域の一員として楽しむことができたという話もあり、「団体と学生の間に”信頼”が成り立つか」が一つのキーワードになりそうです。

 

各グループでどんな話が出たのか、動画でも見られます。

  (YouTubeチャネル名は「市民協働サポートセンター」内、「1/14まるごとキャンパス報告会提案団体グループWまとめ①~③)

 

▶第二部:NEXT STEP~報告会と交流会で次の自分へ~

 第二部は、ながの地域まるごとキャンパスとユースリーチ(※)からの活動報告。ながの地域まるごとキャンパスは、事務局から参加者の状況などの説明の後、取組みを盛り上げる学生ボランティア「まるキャン向上委員会」も立ち上がったことを含め、1年の活動の振り返りをしました。(写真左:ながの地域まるごとキャンパス実行委員長三田今朝光さんからあいさつ。写真右:司会を務めた向上委員会メンバー)

 

 

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 ユースリーチは、ユースリーチについての説明(写真右)と、特に盛り上がった8月のキャンプと、演劇公演「カイミトラの音楽隊」を行ったShine Project(写真左)が紹介されました。

※)ユースリーチとは、学生が主体となり地域の課題を見つけ、解決につながるアクションをする団体です(運営団体はNPO法人長野県NPOセンター)。

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▶パネルトーク「地域活動を通じたコミュニティづくり」

その後学生と提案団体が登壇しパネルトークを展開しました。

「コミュニティづくりの達人」の呉哲煥さん(写真下左:NPO法人CRファクトリー代表)を迎え、登壇者たちが自身の体験や思いを語りました。

 善光寺びんずる市実行委員会のプログラムに参加した竹田あかりさんは「最初ボランティアに申し込みするときはとても緊張した。でも今やらなきゃこの先もやらない。怖いのは一瞬だ」と思いきって申し込みをしたそうです。

楽市楽座でつなぐ会に参加した上海穂乃佳さん(写真右)は、小さい頃からボランティア活動に参加し楽しかった経験もあり、大学生になった今自然と「ボランティアをしたい」という思いがわいたそうです。

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学生の言葉をうけて、「若者たちのやりたい気持ちは対話の中から生まれる。システムだけではなく、対話の大切さを大人も認識してほしい」と呉さんは強調しました。

 パネルトークの最後に、「普段とちがう場、いつもと違うメンバーの中に自分をおくことで得られる刺激と体験が、自分の興味と社会を広げる」と呉さん。そして、学生も社会人も、もうひとつの【居場所】を持つことでワーク・ライフ・コミュニティ・バランスがとれること。また、参加者同士の【関係の質を高める】と、より楽しくなり、成果も上がることなどを学びました。

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▶グループワーク

 グループになり、学生と大人のフリートーク。なぜボランティアをしようと思ったのか、なぜ学生と活動しようと思ったのか、悩みなど自由に話し盛り上がりました。

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グループワークで出た意見(以下、抜粋)

■学生との関係性について

・学生を囲い込まない・支配欲を持たないことで、みんなが活動をし続けられるレールをいかに敷くかを考えた

・参加動機よりも参加したことで得た成功体験が大事ではないか

 →やりたいことが実現できたと思えるかどうか大事(学生)

・新たなプログラムへの参加について→声かけをしてほしい!(学生)

■参加した学生の感想

・バイトと違い、自分のやりたいことを考えながら行動できる、人との

 つながりを得られると感じた

・さまざまな出会いにより、自己肯定感を高めることができた

・(参加して)内気な性格を克服できた

・自分の意見を言えるようになった

■教育関係者

・学校としても信頼性がある事業なので積極的に

 生徒に参加してほしいという思いがある

・担任の先生次第のところがある。どんな影響があるのか、イメージを持って

 もらうのがいいのかもしれない(事例・学生の意見など)

・3年続ければどうにかできるようになると実感した

・先生のお墨付きがあると参加しやすい

 ■最後に■

  学生たちは任せてもらうことで自信をもち、力を発揮することができる。

 そして若者が挑戦できる土壌づくりをどのように創っていけるか。 私たち大人は考えていかないといけないと思いました。

呉さんと頑張った運営の向上委員会、ユースリーチメンバーの記念撮影