【市民活動レポート】長野少年鑑別所主催シンポジウム「非行少年の『生き直し』を応援すること」

11月10日、長野少年鑑別所が「非行少年の『生き直し』を応援すること」と題したシンポジウムを権堂イーストプラザで開催し、地域住民や児童相談所、支援活動に携わる方など約50人が参加しました。

 

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シンポジウムの前半は、少年院を出院した当事者たちによる自助グループであり、出院した若者をサポートをするNPO法人セカンドチャンス!(https://secondchance-japan.jimdofree.com/)代表理事の才門辰史さんが、自身の体験を語りました。

才門さんは話の中で、自分が立ち直るためのチャンスは3回あった、とし、「最初は、少年院に入ったときに自分の父親からの手紙。見捨てられていなかったんだと思った。二回めは、出所後自暴自棄になっていたときにフリースクールで代表から声をかけられ、自分が必要とされる場があると思い、とても嬉しかった。3回目は本音で話せる相手が見つかったとき」と話しました。

これらのチャンスを通じて自分自身の人生を歩んでいたときに、NPO法人セカンドチャンス!設立への参画の誘いがあったそうです。

「自分に声をかけてくれたことがとても嬉しかったし、社会にプラスなことが少しでもできるかもしれない」と思い、「ぜひやりたいです!」と即返事。

当団体の設立の参考にしていたのは、スウェーデンにある刑務所出所者支援団体「KRIS」。「自分たちにあう厚生プログラムがなければ自分たちでやってやろう!という精神の元に活動している姿に感動した」と才門さん話しました。

そんな才門さんたちが運営するセカンドチャンス!は、正直・平等・尊敬をポリシーとし、「まっとうに生きたい!」と願う少年院出院者はだれでも参加できます。

最後に、活動を通して「社会に味方はたくさんいるよということを伝えたい」と才門さんは話しました。

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後半は、長野県地域生活定着支援センターの石川貴浩センター長、長野少年鑑別所の山本樹里法務技官兼法務教官、長野大学社会福祉学部総合福祉学研究科の小林万洋教授により、それぞれの機関の役割の説明や「支援のあり方」について話がありました。

石川貴浩センター長(長野県地域生活定着支援センター)

「支援の押し売りや過干渉をしないことが大切。小さなつながりが大きな関わりにつながる」

山本樹里法務技官兼法務教官(長野少年鑑別所)

「一人ひとりのつながりは弱くとも、つながり続けることが大事。自分もなにができるのかと一緒に悩み歩んでいきたい」

小林万洋教授(長野大学社会福祉学部総合福祉学研究科)

「当事者の語りほど大きな影響を与えるものはない。対話を重ねることで、壁を取り除き、相手を尊重することにつながっていく。伴走者は、見捨てず、必要とし、何でも言える存在を目指していきたい」