8月2日、七二会公民館主催で「蚕の繭から作るシルク灯籠づくり」が七二会小学校で開催されました。「七二会は蚕がさかんだったことや、今は子どもたちが養蚕を頑張っていることを知ってほしい」という狙いから、地区外の親子を対象とした初めての企画で、小学校1年生から5年生の6組9人の親子が参加しました。ワークショップでは、蚕の説明を受けた後、繭から糸を紡ぎ灯籠の枠に巻きつけ、押し花や切り絵を飾り付けました。蚕を初めて見たという参加者は、「この虫から糸ができるなんて」と驚きの表情。親子でとても楽しんでいる姿が印象的でした。
今回の企画の目玉は、講師を七二会小学校の子どもたちが務めること。繭から糸を紡ぎ、灯籠の枠に巻く工程は、糸が切れて苦戦する参加者が多い中、講師の生徒が優しくフォローしていました。また、蚕の成長過程などの説明も、講師である子どもたちが熱心に、わかりやすく伝えていました。講師役の一人は「緊張したけど、うまくできた。楽しかった」と話しました。
七二会地区は明治から昭和にかけて養蚕業が栄えていましたが、今では養蚕農家はゼロ。「地域の伝統を受け継いでいきたい」と平成30年から総合学習の時間を活用して蚕を学びながら育て、繭を活用した作品づくりに取り組んでいます。現在、当校児童25人で育てる蚕は1008匹。蚕は新鮮な桑の葉しか食べないため、毎日の桑の葉調達には地元の人の力が欠かせません。「昔うちも育てていたなぁ」と懐かしみながら葉を届けてくれる方も多いそうです。
灯籠を作成するオリジナル機械を5年かけて制作したり、県外まで染料の勉強に赴いたりと、精力的にこの蚕の学習を引導する西澤浩教諭は、「子どもたちの発想でどんどんいいものができている。そしてこの学習を地元の人たちとやりたかった。楽しい!」と笑顔で話しました。