【開催報告】NPOカフェまんまる「未来を見据えた不登校支援を考えよう!

長野市内には不登校や不登校傾向にある子どものための居場所やフリースクール、通信制高校など多様な学びを提供する団体が増えてきました。子どもたちの未来を見据え、大人が様々な選択肢を知っておくことで、子どもたちが安心して選択できるようになるのではないでしょうか。そこで、不登校支援をテーマに、長期的な視点を持ちながら子どもに関わる団体がつながり合い、子どもを真ん中にした地域社会を目指す交流会を開催しました。

日 時:2024年8月8日(木)13:30~16:00
場 所:もんぜんぷら座302会議室
参加者:26名(学校関係者、福祉事業所、住民自治協議会、市民活動団体、学生、個人など)
登壇者:岡宮真理さん(NPO法人にっこりひろば代表)
    永井佐千子さん(学び舎めぶき代表)

【第一部】話題提供

岡宮真理さんからNPO法人にっこりひろばの活動を紹介していただきました。にっこりひろばは、三本柳で地域居場所づくりを初めて5年目で、放課後・夜と時間を分けて運営しています。利用しているのは幼稚園から高校生まで幅広く、本来であれば行く場所はあるけれど、そこには行けない子がきているとのこと。にっこりひろばは、今まで引きこもっていた子の第一歩の相談窓口になっているそうです。「勉強したい!」など意欲が出てきた子は、学び舎めぶきや川中島駅近くにある個人学習塾の学び舎かなえに行くなど、地域での役割分担ができつつある話もでました。

次に、 永井佐千子さんから学び舎めぶきについて話を聞きました。学び舎めぶきは2021年に川中島の一軒家を借りて居場所づくりを始め、2024年には篠ノ井にも開所しました。めぶきを始める前に児童養護施設の子ども達と関わる中で、退所後の自立が難しいことを知った永井さん。社会に出ていく上で学び直しができたらと思いスタートしたそうです。

学校を卒業したけれど就労につながらない子ども達の精神的自立と経済的自立を目指しています。これまでに小学生から20代までの約90人が利用しています。「誰でも来やすいきっかけを作りたい」と福祉制度を使わず自分たちで仕事を作り出しながら、誰でも無料で利用できるようにしているとのこと。「週に1時間、外に出て自分で働く練習をしている。少しでも早い段階からかかわり続けることが大事」と語りました。

【第二部】事例検討

第二部は5グループに分かれて具体的な事例検討を行いました。事例検討の目的は、正しい答えを出すのではなく、「どんな支援が必要だろう?」「誰とつながればいいか?」など立場の違う人同士が一緒に考えること。それぞれのグループが自由にふせんを使って書き出しました!

各グループの事例検討結果をワールドカフェ方式で見て回りました。ホスト役が新しく来たメンバーにグループで出た話を伝え、移動してきたメンバーは自分たちの内容と比較して新たな視点を取り入れることができました。また、「本人の役割」をキーワードに山村留学の話題が出ました。大岡地区には山村留学の大岡ひじり学園があるとのこと。不登校だった児童も受け入れた経験があることなどから、住自協と山村留学に興味を持った参加者の大学生と永井さんと新しいつながりができました!

【アンケートに寄せられた参加者の声】

・はじめてこのような会に出席させていただきました。グループワークは異業種のみなさんとお話できてとても良かったです。又、職場の皆に情報共有したいと思います。

・会のテーマに関連した、冒頭のお2人の話はもう少しお伺いしたかったです。

・始まるまでは時間が充分あると思ったが、実際話してみるともっとじっくり、一カ所で話したいとも思いました。様々な年齢、立場の方々での意見が聞け、貴重な機会となりました。

【まとめ】

 今回の企画には、長野美術専門学校のインターン生に協力していただきました。事例検討のイラストを描いてくれた林凛さん。文字だけだと伝わりにくい子どもの様子が、イラストのおかげでイメージを膨らませることができました。当日のグループ発表を担当してくれた小山勇輝さん。「教員と学生は意見がかみ合わないことが多いので、お互いの考えを聞けて良かった。このような様々な年代で話せる、つながれる機会がもっと増えてほしい」と感想を伝えてくれました。