【取材レポート】探求講演会@須坂高校

12月19日、須坂高校で1学年の「探求講演会」が行われ、北信エリアのさまざまな分野で活躍する大人が自らの仕事や人生について話しました。

この講演会の目的は、

①探求テーマを決めるにあたり、自分の興味ある分野だけでなく、複数分野に関する情報を収集し、視野を広げる 

②発表者に協力的な姿勢で話を聴けるようになる 

③講師が持つ「問い」や「想い」を知ることで、現状に対する問いを持つための新たな視点を得る

の3つです。

高校生たちは以下の14のテーマから2つを受講しました。

  1. 須坂市都市計画の概要~インターチェンジ周辺開発とコンパクトなまちづくりを目指して~
  2. 司法書士をいう仕事とまちづくり(主に空き家問題)について
  3. 須坂市の保育園と保育士の魅力
  4. みなさんは今後の人生をどう生きていきますか?~医療現場で働きながら大切に考えていること~
  5. 『地域を明るく豊かにするために』~ケーブルテレビ局の新たな挑戦~
  6. 理数科学系の探究活動
  7. 多文化共生の社会を目指す
  8. 「働いて輝く」~私たちは仕事を通じて磨かれ、成長を実感する~
  9. モヤモヤに気づくことから始まるジェンダー平等~女性も男性も生きやすく、働きやすく~
  10. 私たちの“看護”せきららトーク~自分らしさを大切に~
  11. 市役所保険師から「DreamSeed」を起業~高校生で興味を持ったことを実現していく~
  12. 私は平和をつくりたい。だから“今は”、図書館にいる
  13. 歴史を学び再発見しよう
  14. 楽しい仕事やで教員って!

実にバラエティーに富んだテーマ!!北信エリアには多様な大人がいるのですね。

今回は、ジェンダー平等について講演した岩崎恵子さんの教室におじゃましました。

岩崎さんは、大学卒業後に県内の金融機関に就職。そこでさまざまなモヤモヤを体感したと言います。

モヤモヤに気づくことから始まるジェンダー平等~女性も男性も生きやすく、働きやすく~

モヤモヤの原因が記されたカードを生徒が選び、岩崎さんがその時のエピソードを披露。

「お茶」の絵が描かれたカードでは、女性社員のみがお茶汲みをし、男性社員の湯飲みやコーヒーの好み(砂糖あり・なし、ミルクあり・なし等)まで覚えなければならないことにモヤモヤを感じたことを話してくれました。

また、職場では女性のみが制服の着用を義務付けられ、そのことについてもモヤモヤした感情を覚えたそうです。

そうした原体験があり、岩崎さんは「パリテ・カフェ@信州」や「ヤマを動かそう!信州」を立ち上げ、女性たちが抱える課題の解決に向けて動き出し、現在もプライベートの時間を使って活動を続けています。

授業に参加した女子生徒からは、「モヤモヤをどのように行動に変えましたか?」という質問が出ました。

これに対し岩崎さんは、「まずは自分だけがモヤモヤしているのか?それとも他の人もモヤモヤしているのかを知るために、身近な人に聞いてみた」そうです。そして、モヤモヤしているのが自分だけでないとわかれば、アンケートなどを通じてどれくらいの人がモヤモヤしているのかを調べました。多くの人が共通してモヤモヤしていることがわかれば、今度は「多数の声」として、それを力に行動に移していったそうです。

他の教室でも、さまざまなチャレンジをする大人のリアルな言葉に真剣に耳を傾ける高校生の姿が印象的でした。

地域で生き生きと働く大人の生の声を聞くことで新たな視点が加わり、自分なりの問いが立ったり、これまでの問いが進化(深化)していったりするのでしょう。そんなことを感じた講演会でした。(も)

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